注目のブランドに迫るこのコーナー。今月の"it"ブランドは「㈱エス・グルーヴ」です。今年から新たに取り組む「ショールーミング店舗運営代行パッケージサービス」の機能やその背景についてインタビューしました。
| 「ショールーミング店舗運営代行パッケージサービス」の提供
新型コロナウイルスの感染拡大を機に消費者行動の変化やECの需要が高まり、アパレル業界ではDXの推進とともにオムニチャネル化への取り組みが急速に進んでいます。片側ではリアル店舗への集客は伸び悩み、商業施設においては物販だけではない、新たなビジネスモデルの構築が求められつつも、ECと商業施設双方の特性をつかみ、リアル店舗を運営できる人材の不足は大きな課題です。このような背景から、当社が持つ販売力と店舗の実績を生かし、D2CブランドやECモール連動型の運営を代行する総合支援サービスを始動しました。
| 販売だけにとどまらず
今年3月、三井ショッピングパークららぽーとTOKYO-BAYに新設された「ららぽーとクローゼット」へ、本サービスを提供しています。ECと同施設を組み合わせた新たな顧客体験の実現に向けて、当社の販売の経験豊富なスタッフとオムニチャネル専門チームが、アドバイスから店舗運営まで総合的なストアディレクションを行なっています。
ショールーミング機能の考え方は各社さまざまですが、多様なサービスを一つの空間に集約しているので、表現する上ではスタッフのパフォーマンスは要です。購買での「ラストワンマイル」に例えるならば、オンラインとオフラインをつなぐ最後の一押しは「人」の力。また接客のみならず、着荷フローの作成からブランド各社との折衝まで実行する「運営力」、店舗とサイトの垣根を越えた新しい買い物の仕方を提案できるポジティブな「販売力」などの個々のスキルも高まり、店舗への相乗効果を生み出していると感じています。
| 社内外に応えていく
当社は「人」を動かす会社ですし、TSIホールディングスのブランド事業を背景に持ち、さまざまな事例をもとに施策から実行まで一気通貫で行えることは大きな強みです。時代と多岐にわたるニーズに応じたサービスを集積し、パートナー側のオムニチャネル戦略の新機軸になるよう、より精度を高めていくことが今後の責務です。そしてD2Cのブランド開発やキャリアチェンジ、業態転換に伴う人材の受け皿など、最終的にはTSIグループの人材貢献につなげていきたいと考えています。
■ TOPICS ■「来店動機を高めていく役割に」
「ららぽーとクローゼット」は、三井不動産様のECモール「アンドモール」と連携したショールーミングスペースです。来館されるあらゆる形態のお客様が一か所でお買い物を楽しんで頂けるようさまざまなサービスを提供しており、オンラインとオフラインをつなぎ、満足度を高めるべくその取り組みを㈱エス・グルーヴが店頭で体現しています。現在セレクトショップを中心に約10ブランドを扱っており、いわばセレクトの中のセレクトです。各社商品の魅力やセールスポイントを把握すること、ニーズを掘り下げてその一歩先を提案するスキルが重要になります。難しい分やりがいもありますし、来店されたお客様のスタイリスト的な役割ができるFAとしての醍醐味をスタッフみんなが実感できるとうれしいですね。
少しずつですが顔が見えるお客様も増え、また来店アンケートでは「親身な接客が良かった」というお褒めの声も頂いています。ディベロッパー側とも定期的に意見交換を行なっているので、利便性も含めてわざわざ足を運ぶ価値を提供できるよう、このスペースの認知度を高めていきたいです。