注目のブランドに迫るこのコーナー。今月の"it"ブランドは、㈱サンエー・ビーディーの「プロポーションボディドレッシング」です。リブランディングにより、復調し始めた今シーズンの施策をはじめ、ブランドの現況についてインタビューしました。
| 「プロポーションボディドレッシング(以下、PBD)」とは?
働く女性に向けて、2000年にデビューしました。2010年を節目に、「エレガンス&コンビニエンス」から「きれいな女性プロデュース」へとコンセプトを刷新し、時代に求められるフェミニン・クールを基調に進化。2013年にはカジュアルな甘さと、トレンドを兼備した新ライン「エディットコロン」を据え、順調に推移してきました。2018年、トレンドとオフィススタイルの急激な変化への対応が逸機となり、2019年にSSシーズンに打ち出したカジュアル施策は支持者が求めるものではなく苦戦しました。2019年FWシーズンはもう一度原点に立ち返り、ブランドの価値、期待されていること、ターゲット心理などを明確にさせ、今、そして未来に向けたアップデートを図っています。
| 顧客像を新たに
ブランド再編に対しては、2つの施策に取り組みました。1つはカテゴリーの再編です。従来の「フェミニンエレガンス」を中核に、オフィスカジュアル層に向けた「フェミニンEカジュアル」と、「クールEカジュアル」を新たに構築しました。ターゲットはこれまで通り、25歳から29歳をマジョリティにした、働くF1層のワードローブです。再度カテゴリーを明確にしたことで、TPOやマインドに沿ったファッションが楽しめる本来のPBDに戻り、従来のお客様の再来店につながったほか、テイストの加減により新たなお客様の導入にもつながっています。
| 精度を高めたECサイト
2つめは自社ECサイトの練り上げです。クーポンを抑制した上で、購入にたどり着くまでの売り方・買い方の導線を徹底的に洗い出しました。お客様がECサイトを利用する際の気持ちやモチベーションを再考し、着用モデルやキャプション、それこそ商品名からカラー名まで、意欲を高めるツールを1つひとつ見直していきました。また、全品番プレオーダー対象と位置付け、実現可能なスキームへと変更しました。また、外販ECサイトの「選択と力の集中」も同時に行ない、9月から11月期のEC売上は前年比125.4%と伸長しました。イメージの発信は、情報を拡充したオフィシャルアプリに集中させ、スケジュール化させた動きの中で、リアル店とEC店における相互送客の拡大につなげています。
| 今後に向けて
2020年、PBDは20周年を迎えます。2010年代は打ち出すフェミニンな要素、セルフからサービスに切り替えた接客が、多くのお客様からの共感を得ました。2018年期中より苦戦が続きましたが、PBDに携わるメンバーの総力により、今、復調への道を力強く歩んでいます。
「上品で、女性らしく、誰からも愛される」。これから始まる次の10年も、たくさんの女性から愛され、共感され、喜ばれ、安心される、そんな「間違いない」価値をクリエイションし、提供し続けられるブランドであるよう、PBDメンバー全員で頑張っていきます。