注目のブランドに迫るこのコーナー。今月の"it"ブランドは、㈱TSI の「PINGアパレル」です。クラブメーカーとして知られる「PING」を冠したライセンスアパレルとして、2020年春夏シーズンの立ち上がりから1年を迎えました。
| 「PING」ブランドとは
「PING」のギアは、1959年に米国アリゾナ州・フェニックスでスタートしました。創業当時から今も変わらず丁寧なモノ作りを行なっており、その一貫したこだわりは多くのファンに支持されています。われわれアパレルもその姿勢に敬意を表するとともに、既存をはじめ新たなユーザーに向けても納得するモノ作りを手掛けていきたいと考えています。その中での強みは「PING」本来の硬派と、TSIらしいファッション感度の掛け合わせです。そして当社が展開する数あるゴルフアパレルの中で唯一、ギアとの連動可能なブランドとして、日本のゴルフ業界をけん引することを使命としています。
| TSIらしさを加味
ユーザーにとってのベストゴルフを実現するために、優れた着心地と機能性をプラットフォームに3つのラインを展開しています。百貨店を販路に、高級感を演出したプレミアムな「ゴールドライン」。高機能素材を使用し、スポーティーかつスタイリッシュでブランドの根幹となる「パフォーマンスライン」。そして高機能素材を使用しつつも、柄やカラーなどTSIらしい楽しさを前面に出した「ネイティヴライン」での構成です。初年度となった昨年は厳しい商況でしたが、卸業態で本格スタートを切った今シーズンは堅調に推移しており、中でもレディスは好評で、うれしい手ごたえを感じています。
| 鮮度を絶やさずに
5月にオフィシャルサイトをローンチし、連携するオンラインストアも好調です。この7月からは「ZOZOTOWN」にも出店します。ECは予算以上の数字を出しているので、商材を切らさないよう強化していくほか、8月には両サイトでの別注アイテムも展開を予定しています。今後の売上を伸ばす上でも定期的に企画していく考えです。またSCMのノウハウを生かし、他ブランドではできないクイックな生産スキームも組んでいます。世の中に向けて新しい価値を提供すること、PINGアパレルとしての付加価値にチャレンジしながら、売上にもつなげていきたいと考えています。
| 今後に向けて
ライセンス契約は5年間なので、残るはあと4年しかありません。その中でPINGアパレルとして何ができるかを考え、卸業態を主販路にさらなるEC事業の強化や、来年はアウトレット事業の展開も計画しています。2025年2月期に50億円達成を目指しています。とても高い目標ですが、それを目がけて取り組まなければ契約の継続にはつながりません。そして、のちに目指すは海外進出です。「PING」の原点である米国での展開をはじめ、ギア同様に世界で認知されるゴルフアパレルとして成長させていきたいです。