TSIホールディングスが展開するブランドをクローズアップ。今回は、㈱アングローバルの「マーガレット・ハウエル (以下、MH)」をご紹介します。英国を代表するブランドとして、長年すべての人を魅了し続ける背景についてインタビューしました。
| 「マーガレット・ハウエル」とは?
マーケットで出会った一枚のシャツに感銘したデザイナーのマーガレット・ハウエル氏(以下、マーガレット)が、1970年にメンズシャツを発表したことがブランドの始まりです。シャツが持つ古着のような風合いとシルエットの良さがUK版『VOGUE』で注目され、1980年にウィメンズを発表しました。日本では1983年に路面店がオープンし、1985年にはロンドンコレクションに参加するなど、少しずつMHの名を広めていきます。彼女の信念でもある「シンプル&ベーシック」を基本姿勢に、着心地や機能性を追求しながら商品を提案し続けています。
| モノ作りに対する姿勢
マーガレットは、クロージングデザイナーです。流行にとらわれない、「クラシック・モダン」という相反するものを更新し続ける彼女の姿勢は、ウィメンズ・メンズ・ハウスホールドグッズ・カフェと、ライフスタイル全体を通して貫かれています。常に伝統を大切にしつつ、時代を感じ取り、モノ作りに反映させていくことが彼女の考え方です。ショップ空間においても同様です。例えばMH神南店のフロアーは、昔のヨーロッパの建物で使われていた古材を使用し、壁や什器はシンプルでモダンな作りに仕上げるなど、ウエアに限らず空間にいたるまでオーセンティックかつタイムレスな魅力を表現しています。
| 長年支持されている理由とは?
われわれも信じていますが、「クオリティの高いモノ作り」です。企画・生産・パターンをはじめとする作り手全員が、常に高い意識で取り組んでいます。そして同時に、「クオリティの高いサービス」を提供していることです。この二つを妥協せず継続してきたことで今日があり、長年お客様にご支持頂けているのだと思います。最初の一点をご購入頂くまでに時間は要します。マーガレット自身がこだわる素材・カッティング・縫製・パターンの良さ、肌ざわりや着心地の良さにも通ずる要素は、必ず共感につながります。着るたびに体になじんでいく風合いや湧いてくる愛着、それがMHの魅力なのです。
| すべてのハッピーのために
マーガレットは、日本人のモノ作りに対する真摯な姿勢をリスペクトしています。当社の結束力も勉強になると、日本チームに向けて常に感謝の意を伝えてくれますね。双方の信頼関係も深まりますし、とてもうれしいです。彼女はチャーミングさと信念の強さを併せ持ち、妥協は一切しません。「プライスではなく、お客様が長く着ることができてハッピーだわ」という思いは自己本位ではなく、お客様やMHに関わるすべての喜びを考えているからこそです。私も社員へ向けて、「お客様の感動と喜びが、われわれが働く最大の目的」だと伝えています。そのためには適正な利益を生み出し、会社の将来に投資することがお客様への投資でもあります。もちろん社員の収入や生活が充実し、最終的にはお客様のハッピーにつながることです。願いは「カスタマーファースト」です。
| 将来へ向けて
日本におけるビジネスは拡大ではなく、充実を図っていきます。現在、海外ではイギリス8店舗、フランス3店舗、イタリア1店舗、アイルランドに1店舗を展開しており、今秋はロンドンのキングスクロス地区に、イギリス9店舗目のショップをオープン予定です。ヨーロッパ圏は計14店舗となり、ドイツや北欧も視野少しずつ拡大していきたいです。アジア圏はすでに取引のある韓国・台湾を強化していきます。新たな地としては北米です。
2020年にブランド発足50周年を迎えます。既存のお客様に喜んで頂き、新しいお客様には認知して頂けるよう、MHの世界観をより表現できる試みを考えていきます。そのためにはMHに携わるスタッフ一人ひとりがブランドの本質を理解し、楽しく従事することです。それがすべてのお客様に応える最大のサービスになると思います。
MARGARET HOWELL
https://www.margarethowell.jp