TSI BRAND INTERVIEW 「ROSEBUD」
  • ローズ バッド
  • 2019.01.31
Street & Culture

注目のブランドに迫るこのコーナー。今月の"it"ブランドは、㈱ローズバッドの「ローズ バッド」です。25年間支持されている理由、そして進化に向けての施策についてインタビューしました。

― 独自性とエッジの効いたセレクトショップ ―

| 支持され続ける理由とは?
 「ローズ バッド(以下、RB)」は、昨年25周年を迎えました。マーケットにおいてセレクトショップが常態化している中、RBはミリタリー、ロック、ボヘミアン、ヴィンテージ、ストリートなどのテイストを軸に、エッジの効いたスタイルを提案しています。その女性像へ向けて、広がりを持った品揃えのセレクトショップは他になく、それを長年貫いてきたことが今日の活躍に至る理由だと思います。「バイイング」も強みの一つです。展開アイテムの重なりは、セレクトショップ群にとっての課題です。RBにとってのバイイングとは、ブランドの知名度に依存せず、日本でまだ知られていないブランドを発掘する力、ファクトリーブランドを活用したモノ作りを特徴としています。また、オリジナルにおいてもRB特有の「カラーリング・柄」に期待を頂いており、確実にヒットにつながっています。希少性のあるテイスト、品揃えの考え方に独自性を持っていることが、長く愛されるキーワードであり、お客様、ひいては取引先に評価頂き、優位置に売場が確保できているのだと感じています。

| ブランドとしての進化
 品数に幅がある反面、ショップのコーナー要素を明確化することが重要です。その施策として、都会的な大人の女性に向けた「ミチ」を2017年秋冬から、ヴィンテージ×ストリートの「クレオルム」、ジーニングを中心とする「ジーンヘブンズ」を2018年秋冬にスタートしました。RB本来の要素をより分かりやすくするために、ブランドという冠をつけて各々のテイストを提案するカテゴリー開発です。上代はオリジナルに対し1.5~1.8倍で設定し、素材の質や仕様の向上、国内縫製を活用するなど、お客様のライフスタイルに沿う親和性をこの2年間で高めています。結果、客単価を10%上げることができ、お客様の嗜好に対する手応えを実感しています。
 また、MDの進化に向けても改革に着手しています。一つは店頭で展開できる「適正型数」に開発を連動することです。2年前より60%の型数に抑えることができ、1型当たりのパフォーマンス力も高まりました。そして「プロパーで売り切る」ことも、現状そして今後の課題です。今秋冬も9~11月はプロパー販売に徹し、本部・店頭も一丸となって、利益体質に向けての改善を進めました。既存店売上も前年を上回り、少しずつ結果を出しながら進化し始めています。

| WEBコンテンツの奏功
 RBの特色について、お客様に伝わりやすい環境を作る意味では、オフィシャルサイトで取り組んでいるコンテンツ「STAFF STYLING」に効果性を感じています。各店の担当スタッフがアップするスタイリング投稿機能で、おススメの着こなしを伝えるツールとして、昨年6月のサイトリニューアル以降から最も活躍しています。商品や店舗、スタッフの認知度の向上にも寄与しており、このページを経由したEC売上が伸長しています。この1年間で、自社ECサイトの売上前年比は140%と大きく推移しました。在庫の充当に関しても機会ロスのないよう2年前より比重を高めており、今後も収益改善の骨子として自社ECサイトの強化をしていきたいと考えています。
 そのためにはお客様の目線に立ち、RBが持つ多くの要素をミックスしたスタイリング力や接客スタイルなど、ショップスタッフ個々の精度向上も大切な課題です。WEBと実店舗の連携を強化しながら、商材・顧客接点の拡充に努めていきたいです。

| 再成長に向けての基盤作り
 EC事業の強化にも伴いますが、SCMの改革にも着手しました。作業負担・経費の軽減、物流面での効率化は、今後の収益性を高める上では重要な課題です。直近の取り組みとしては、人件費高騰や物流品質の低下の解消に向けて、倉庫内における「ロボット物流」を今シーズンより運用開始しました。店舗においても「RFID(ICタグ)」をすでに導入しており、棚卸業務の時間短縮にもつながるなど、ソリューション面でのさらなる進化を図っていきたいと考えています。
 さまざまな改革を進める中、「今の時代に合ったRBを作ろうよ、今のメンバーが考えるRBを作ればいいのでは」と、創業から支えるメンバーとも共有しています。ブランドを維持している背景には、やはり「ブランドロイヤルティの高さ」「独自性「エッジの効いたカルチャーミックス」という強みがあることに他なりません。良い継承と今後の進化により磨きをかけ、レディスセレクトショップとして再成長していきたいです。





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