映画「トップガン マーヴェリック」の大ヒットを受けて、ミリタリーブランド「アヴィレックス(AVIREX)」の関連商品が売れている。映画とのコラボレーションで1000着を限定販売したMA-1ブルゾン(税込2万8380円)は、「5月27日に映画が公開されると、すぐにほぼ完売状態になった」(販売するTSIホールディングスの広報担当)。前作の「トップガン」(1986年公開)の劇中でトム・クルーズが着用したG-1フライトジャケットの復刻版(同10万7800円)は、厚手のレザーにも関わらず、初夏に予約で品薄になり2回も追加発注をかけた。
米アヴィレックス社は36年前の「トップガン」で衣装監修をした。公開当時、トム・クルーズが着用したレザータイプのG-1や襟付きのCWU36Pといったフライトジャケットがファッションとして脚光を浴び、日本ではなぜか劇中に登場しないMA-1が大ブームになった。
公開中の「トップガン マーヴェリック」は異例のロングランヒットで、興行収入は120億円に迫る。コロナ禍以降に公開された実写映画の中では1位。熱烈なファンが何度も劇場で鑑賞する"追いトップガン"という言葉が生まれるなど、一種の社会現象に発展している。
「アヴィレックス」は封切り時、全国69の映画館で上映前にブランドCMを流した。シネコンがある大型ショッピングセンターに店舗を構えるケースが多いため、鑑賞後の興奮が冷めないまま店舗に足を運び、フライトジャケットのほか、コラボしたTシャツ(同6490円)などの関連商品を買い求める客が相次いだ。前作をリアルタイムで見た50代から、今作でファンになった20代の若い男女まで客層は幅広いという。
「トップガン マーヴェリック」は公開が何度も延期になるなど、コロナ禍に振り回された。そのため「アヴィレックス」の関連商品の企画・生産スケジュールも大幅に狂い、商品量を控えめにせざるを得なかった。だが、ふたを開けてみれば、映画の予想以上の大ヒット。TSIでは、これを機に関連商品だけでなくブランド全体に関心が高まることを期待する。
*この記事はWWDジャパンにてご紹介頂きました。