~人工ロボットアームを「服」で支援~
株式会社TSIホールディングス(本社:東京都港区赤坂、代表取締役社長:下地 毅)は、難病や重度の障がいなどで外出困難な方が自宅にいながら遠隔操作で接客を行う分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」の開発・提供を手掛ける株式会社オリィ研究所の所長で発明家の吉藤オリィ氏が開発を進めているロボットアームに装着する「服」を中心としたユニバーサルデザインウェア「MOVE WEAR」プロジェクトを2024年3月よりスタートさせ、11月24日、LINE CUBE SHIBUYAにて開催された、吉藤オリィ氏の長年の盟友であるALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の武藤将胤氏が企画プロデュースした「MOVE FES 2024」で約1,500人の観客を前にお披露目されました。
「MOVE WEAR」は 袖や上半身と下半身での着脱可能のコート、ジャケット、パンツのマルチデザインで、それぞれ寝たままでも脱ぎ着できる機能性を持ち、なおかつ、タウンウエアとしても着用できるファッション性も兼ね備えた、「車椅子ごと着る服」という新たなスタイリングの提案で、衣装に施したオリジナルプリントは今回の「MOVE FES 2024」のテーマの1つである「人体の拡張」に合わせ、有機と無機が交差するイメージへと発展させ、夜間視認性を向上させる再帰性反射の中でもオーロラ色の光を放つスペシャルな手法を採用。力強いプリントが持つエネルギーが衣服を通してエンパワーメントをより高め、既成概念にとらわれないファッショナブルなユニバーサルデザインを表現しました。さらにロボットアームに着用させる袖パーツにもリフレクタープリントを施し、腕を動かした時の視覚的インパクトを訴求しています。
ALSの啓発とボーダレスなエンターテインメント体験の創出を目的とした音楽フェス「MOVE FES.」は、2016年にスタートし、7度目の開催となる今年のコンセプトは『WE CAN EXPAND.僕らは拡張できる』。
武藤氏自身が視線コントロールでDJ・VJを操作する「EYE VDJ MASA」のライブステージでは、筋電センサーでコントロールするデジタルアバターや、脳波でコントロールするロボットアーム演出など、最先端のテクノロジーを融合した世界初の身体拡張ライブに挑戦。また、EYE VDJ MASAのステージ楽曲4作は、すべて視線入力で作詞作曲したオリジナル曲。見事に脳波によって自身でロボットアームを上下左右に操作することに成功しました。
当日のライブステージには、「MOVE FES 2024」の趣旨に賛同したアーティストが出演。
クリエイティブユニット『BORDERLESS RECORDS』で共に活動している"清春"、 これまで数々の楽曲を共に制作してきた"androp・内澤崇仁"、初年度から毎年出演している"HOME MADE家族・KURO"、コラボ曲を日本一の車いすバスケチームの公式応援ソングに起用した"NOBU"、東京パラリンピック開会式で共演した"和合由依"、車椅子ダンサーの仲間の"かんばらけんた"、"M++DANCERS"によるLEDリボン&LEDフラッグを駆使した光を操るダンスパフォーマンス、シンガーソングライター"Celeina Ann"との楽曲コラボや、東京パラリンピック閉会式に出演した白杖ダンサー"MORIKO JAPAN"が出演し、素晴らしいパフォーマンスを披露しました。
日本から世界へ向けてALSの最前線を紹介するALSトークショーでは、テクノロジー分野から、分身ロボット開発者の吉藤オリィ氏(WITH ALS技術顧問 / オリィ研究所)、 脳波コミュニケーションツールを共に研究開発している荻野幹人氏(東京大学大学院特任研究員・WITH ALS脳科学技術アドバイザー)、ロボットアームなど身体拡張研究を共に進める南澤孝太氏(慶応義塾大学大学院メディア研究科教授 / 科学技術振興機構ムーンショット型研究開発事業・Cybernetic being Project プロジェクトマネージャー)、VR・メタバース領域で活躍するせきぐちあいみ氏(VRアーティスト)、治療薬研究開発のファンドレイジングの分野からは、 漫画『宇宙兄弟』から始まったALSの治療方法を見つけるための研究開発費を集める活動を行う黒川久里子氏(WITH ALSファンドレイジングパートナー・せりか基金代表)が登壇。平野裕加里氏と武藤氏のナビゲートのもと、ALS支援の最前線についてトークショーを行いました。
会場では分身ロボット「OriHime」とタッグを組んだ「01 ROBOT POP-UP STORE」をオープン。障がいを持つ「OriHime」パイロットたちが遠隔操作で商品説明だけでなく自己紹介や雑談も交えながら接客・販売行いました。
開演後、武藤氏は、「これまでは、ALSになると身体が動かせなくなる。そんな未来なら延命なんてしたくないと世界中の人にそう思われ、全世界で約9割の人が延命を諦めてきました。僕らはテクノロジーの力と人間の持つクリエイティブの力を掛け合わせることで、そんな固定概念を覆し、新しい身体拡張の未来を切り拓きます。視線や脳波、筋電センサーで自身のアバターやロボットアームを操作できる未来がもう目の前にあります。僕らはまだまだ身体を拡張できる。 ALSが治せるその日まで、自分らしく生きて、共に辿り着きましょう。」と思いを語りました。
弊社代表の下地も「初めてのMOVE FESは驚きの連続でした。お世辞抜きで、この素晴らしく、クォリティの高い、熱いイベントが世の中にまだまだ知られていないことがとてもとても残念にも感じました。われわれも引き続き"服"を通じて新たな挑戦に向かいたいと思います。迫力のある音響と最先端のテクノロジー映像とさまざまなジャンルの楽曲、美しいダンスの饗宴は、まさに「身体の拡張」で、MOVE WEARを着た武藤さんの人工アームは、彼自身の脳波で自由自在に動き、彼の身体と一体化していて感動いたしました。出演者の皆さまのダイバーシティが半端でなく、強化された身体とハンディを補って余りある科学やテクノロジーの進化を体感体験させる武藤さんの企画プロデュース力の高さに感銘を受け、上質のエンターテインメントを楽しめ、学ぶことが出来た歓びを皆さまから受け取りました。」と語りました。
弊社は今後も、ダイバーシティ&インクルージョンの観点から「One TSI」として社会的および身体的に困窮している方たちが少しでも笑顔になる支援活動を続けてまいります。
※本件に関するプレスリリースはこちらからご覧ください